桃太郎に退治された鬼は何も悪いことをしていなかったようです。鉄棒をもっていることでわかるように、自分のところで鉄がとれるので、ほろぼされました。
鬼とは「隠(おに)」のことで、姿がみえないという意味らしいです。
《桃太郎 何をやったの 鬼たちが》
桃太郎は、桃から生まれましたが、桃太郎の話はエトから生まれました。
- 昔、家の北東は鬼門といって、厄除(やくよ)けに桃を植えました。中国の『山海経』に桃の木をたてて鬼の出入りを防いだという話があります。桃は不老長寿の薬であり、鬼を払う厄よけでしもありました。
- 鬼門には、牛の角と虎のパンツをはいた鬼が控えています。なぜ、牛のツノと虎のパンツかというと、鬼門はウシ・トラの方角にあたるからです。
- 桃太郎(Peach boy)がサル、キジ、イヌを家来にしたのは、キジ、イヌが鬼門(demon's gate)の反対の方角に住んでいるいるからでした。
干支(えと)
上の「にわとり」は、キジのことです。
桃太郎は、兄の吉備津彦(きびつひこ)と共に、岡山地方を平定し、そこを吉備(きび)と名付けました。
「お腰につけたきびだんご、ひとつ、わたしにくださいなぁ!! 」の「きび」は、吉備のことです。
吉備津彦(きびつひこ)は、岡山市の吉備津神社にまつられています。
ここには五・一五事件で暗殺された犬養毅(つよし=木堂ぼくどう)の像があります。先祖は桃太郎のイヌと関係があったのでしょう。
吉備は昔、鉄づくりが盛んでした(この古来からの製鉄法をたたら製鉄といいます)。鉄は当時は貴重品でした。朝廷から派遣された吉備津彦は、そこをおさめていた豪族を征伐しました。
そこで働く人たちの顔は、炎で真っ赤でした。だから、鬼の顔は赤く、また鉄棒をもっているのでしょう。
鬼は悪人ではなかった、ようです。
吉備津神社内の犬養木堂の像www1.odn.ne.jp/~cad93870/ kibiji.htm